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中村太一+東恩納裕一
『Lost in Paintings』Part 2 
後期2024年9月27日(金) 〜 11月4日 (日)
会場:Heimlichkeit Nikai(ハイムリッヒカイトニカイ)MAP
開場日時:金曜〜月曜オープン、 11:00 - 17:00 (*Safi、LOは16:30 ) 
定休日:火、水、木
住所:〒143-0016 東京都大田区大森北6-13-3 2F ※京急線平和島下車徒歩2分
入場料:無料


©︎Yuichi Higashionna, Tachi Nakamura, 2024

平和島駅前の空き家だった民家(二階)を会場とするHeimlichkeit Nikai(ハイムリッヒカイトニカイ)では、2024年9月27日(金)より、ペインターの中村太一と東恩納裕一による二人展『Lost in Paintings』を再開いたします。
本展は5月から7月に開催されたPart1に続くPart2として、中村の水彩画、東恩納のライトオブジェクト、ドローイングとインスタレーションのすべてを新作を含め入れ替えた内容となります。Part1を見逃した方、またご覧になった方々にもフレッシュな展示をお楽しみいただけます。

「Blue Bird」(2016年)とタイトルされた中村太一さんの水彩を見て以来、彼の水彩による風景がずっと気になっていた。水彩といえば、かねてからターナーを筆頭とする19世紀英国の画家たちの描く崇高な風景に魅了されてきたのだけれど、それとは対照的に、中村さんの描く風景には崇高さに伴う恐れや遠さの感覚はなく、むしろとても近い・・というより、そこは没入する場所として描かれる。だからこそ、彼は湧き出るように倦むことを知らず、夥しい量の作品を描けるのではないか・・・とも妄想してみる。
平和島のNikaiは、ホワイトキューブではなくかつての住人の残り香があって、そこに置かれる作品は白い壁と対峙するのではなくアンチームな室内に溶け込みそこに一体化する。Nikaiを訪れるわたしたちは、その渾然とした空間に没入し、夢中になり、そして迷子になる・・・

(ヒガシオンナ ユウイチ)


Lost in Paintings
僕の絵には常に場所がある。それは、何処そこのある地域の山の中だとかそういう地図に載っているとかそういう場所ではない。その場所というのは現実の体感した場所であったり夢の中の場所であったり、厳密に言ったら特定できない場所なのかもしれない。僕の脳裏の中なのか心なのか、それもまたある見知らぬ場所に一度保管されたもの。つまり僕や、絵に登場している人や動物は、ある場所にいながら常にそこにはいないのかもしれない。東恩納さんがこのタイトルをくれた時、僕自身も迷い道の中で新しい場所に移行し続けるように絵を描いているんだろうなと思った。だからきっと常に描くし常に現実と非現実を行き来しながら描き続けるんだと思う。僕らはいったいどこに迷い込んだんだろう?って。そんなふうに思う。そういったプロセスの中で、まるで山の中で藪漕ぎをするように描き続けたらいつか僕がどこにいたのかを理解する事ができるかもしれない。

(ナカムラ タイチ)




中村太一 Taichi Nakamura
1982年神奈川県生まれ。2008年に東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻卒業。キャンバスに油彩、あるいは紙に水彩で描く具象作品、雑誌の切り抜きの上にアクリル絵具などで自由にストロークを加えたミクストメディアの作品など様々な制作を行う。いずれの作品でもシンボルやメタファーが用いられ、一貫して、自然の摂理を逸脱することで進歩してきた人間に対する複雑な思いをメッセージに込めている。近年の主な個展に「ROADS NOT ON MAP」(CAVE-AYUMI GALLERY、2024)、「Sleepwalking」(YIRI ARTS、台北 2022)   

東恩納裕一 Yuichi Higashionna
東京都生まれ。90年代から、蛍光灯など日本の室内にあるありふれた光景に感じる違和感、“不気味さ”(ジグムント・フロイト)に触発されて制作を始める。代表作として、多数の蛍光灯/LEDによる「シャンデリア」、グラフィティや17世紀オランダのヴァニタス絵画にインスピレーションを得た「Flowers」などのシリーズ作品。その他、アニメーション、オプティカルなインスタレーションなど、様々なメディアによる作品を発表。近年の主な展示に、「behind the drapes」(The Third Gallery Aya、2023)、「桃源郷通行許可証」(埼玉県立近代美術館、2022-2023)など。



Heimlichkeit Nikai(ハイムリッヒカイトニカイ)
元質店だった民家を改修、2022年オープンのパフェ専門店「Safi」の二階に併設するギャラリー。オープン時よりアーティストの東恩納裕一がディレクションに関わり、ゲスト作家を迎えて東恩納との2人展として、山中春海「Play Double」展(2022年)、新垣美奈 「seeping lights」展(2023年)を開催。ギャラリー名にあるドイツ語のheimlichkeit(ひっそりと隠れた)は、会場となる民家(heim: 家)が奥まった路地に面していることに由来します。



主催:Heimlichkeit Nikai、Safi
企画協力:CAVE-AYUMI GALLERY





【中村太一作品集刊行】
タイトル:『MANIAC RIVER 』 SELECTED WATER COLOUR PAINTINGS 2010-2023
仕様: A4変形(290×210mm)/スイス装/160P/フルカラー/表紙2種/500部限定(表紙各種250部)
言語:日本語・英語
発売日:2023年1月19日
発行:CAVE-AYUMI GALLERY
価格:7,920円(税込)
会場又はオンラインストアにてご購入いただけます。