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Samuli Blatter サムリ・ブラッテル
“Strange Attractor”
2023年6月16日(金)〜7月23日 (日)
※オープニング レセプション: 2023年6月16日(金) 18:00〜20:00

定休日 水・木




CAVE-AYUMIGALLERYでは2023年6月16日(金)より、Samuli Blatter (サムリ・ブラッテル) の日本での初個展『Strange Attractor』を開催いたします。サムリ・ブラッテルは1986年フィンランド生まれ、スイスで育ち、2014年 ベルン芸術大学院を修了しました。2022年12月よりスイス・バーゼルから日本へ拠点を移し、現在は東京で制作活動を行っています。

サムリ・ブラッテルの主な作品はモノクロームのドローイングです。そのほとんどは黒鉛の塊であるグラファイトと鉛筆を用いて描かれています。またこれらのドローイングを素材にしてコラージュやインスタレーション制作も行っています。

「私は通常、前回の作品の響きが私の中に残った状態で絵を描き始めます。構想があり、あいまいなアイデアがあり、特定の方向へ進みたいという意志がありつつも、既に私は全体のプロセスの結果が私の予想とは異なることを予測しており、また同時に、私の作品、テーマ、興味、好奇心において、視覚的な言語の特定の進化が起こります。私は「奇妙な引力子(Strange Attractor)」という概念に魅了されています。これは特定の視覚的状況に向かう引力の働きを指します。日常生活では、同じことに何度も目を引かれることがありますが、日々無意識に過ぎる物事の中で次第にそれは私たちに認識を与え、意識を変化させます。そしてそれが繰り返し起こる中で私たちはこれらの事物により確実な存在観念を与えます。そして、私のドローイングの実践も、まるで脳のシナプスが深く神経経路を刻むように行われていきます。私の好奇心は、知覚、カオス理論、元素物理学の哲学的で詩的な要素に常に私の作品を駆り立ててきました。奇妙な引力子の理論は、混沌としたシステムにおける引力の中心の発生を説明する概念であり、多くの絵、線、グラファイトの中で、視覚的要素はそれらの形而上的な引力に引き寄せられます。私のドローイングは繰り返し線を彫り込み、研磨し、紙と鉛筆を刻み傷つける行為です。そしてそれは物理的なプロセス、つまり意味論的な反響室における平らな彫刻のプロセスでもあります。さらには絵の生成であり、決定事項のストーリーテリングの堆積です。また、ドローイングは時間の蓄積であり、既に蓄積された存在するものを消すことでもあります。私はそれらの奇妙な引力子を関連付け、共鳴を探求し続けています。」

本展ではドローイングの他、現地で制作されたサイトスペシフィックなインスタレーションも発表いたします。グラファイト、紙、糸、テープ、石などのシンプルな素材を使用して、ドローイングの実践と思考プロセスを2次元の紙から3次元の空間へと移しました。

ぜひご高覧ください。

アーティストについて
Samuli Blatter (サムリ・ブラッテル)は1986年フィンランド生まれ、スイス育ち。2014年にベルン芸術大学の芸術学修士課程修了。 2020年、TOKAS(Tokyo Arts and Space)のレジデンスプログラムに参加し、2022年12月にスイスから日本へと移住。スイス、北欧、ドイツ、日本を中心に、国内外のアートプロジェクトや展覧会で発表をしている。主な個展に 2020年“Daily Exorcism” (Salon Mondial, バーゼル/スイス) 、2016年“Caravan 3/16” (Aargauer Kunsthaus, アーラウ/スイス)、 “Terraform” ( o.t. Raum für aktuelle Kunst, ローザンヌ/スイス)、2014年“HALF-LIFE” ( Kunstmuseum、ルツェルン/ スイス)。主なグループ展に2023年「四つのパースペクティブ例えば風景もしくは黒っぽいなにか」(Azumatei Project#35、横浜)2022年 “Chronic Fatique Syndrome, with Ray Hegelbach”  (Foreningen Trykkeriet, ベルゲン/ノルウェイ、 ArtWillisau、 ヴィリサウ/スイス)など。また、Kunsthalle Basel、Kunstmuseum Luzern、Aargauer Kunsthaus、Kunstmuseum Thunなど、さまざまな機関で展示されてきました。