『夢の川』The Dreams of Rivers
2026年8月23日(日)~9月22日(火)

定休日 水・木


©︎Go Itami, triangle 20250731, Inkjet print on baryta paper, 2026

CAVE-AYUMI GALLERY では、2026 年 10 ⽉ 3 ⽇(土)より、写真家 伊丹豪による個展「a plan for all things」を開催いたします。
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伊丹豪は、画面のすべてにピントが合った「全焦点」の写真を通して、写真を見ること、撮ることについて考えてきました。画面の中にあるものを等しく鮮明に写し出すことで、写真を見るときに生まれる視線のヒエラルキーを問いかけています。伊丹の写真はこうした構造への問いを含みながら、鮮やかな色彩や大胆な構図、身近なものを思いがけない組み合わせによって表現します。見る人はまずその色彩や構図の面白さに惹きつけられ、そこから、何が意図され何が偶然なのかという問いへと導かれていきます。
本展で発表される写真は、すべて作家の自宅で撮影されています。家にある家具や⽇用品など、
そこにあるものだけを使い、ものを置いたり、動かしたりしながら画面をつくっていきます。そこには過去に見てきた写真や絵画、美術の構造を、家にあるものの配置として組み直し、撮影し、撮影後には解体するという作家の意図があります。撮影が終わればその配置は解体され、写真に残るのは、その場に実際にあったものとすでに存在しない配置です。
「a plan for all things」というタイトルには、「plan=計画」と「plane=平面」という複数の意味が重ねられています。ものを選び、配置し、撮影するという行為と、そこにあるすべてのものが定着される一枚の平面。美術からの引用も、生活の中にあるものも、作為も偶然も、同じ表面に等しい密度で並びます。タイトルにはこうした制作の行為と写真そのもののあり方が重ねられています。

「写真は目の前を複製することしか出来ない。
複製の仕方の技術を選び、画面内に写るものを選んだり、再配置したりする。
生活、社会、家族、趣味、美術。
そのどれでもあり得るし、そのどれにもなれない。
単なる記録でもあり得る。
その様態が写真を撮ることの誠実さではないかと思っている。」 伊丹豪

何が重要なのか、何が偶然なのか。何が作家によって意図的に置かれたものなのか。その境界はあえて明確にされず、写真そのものが判断を決めるのではなく、見る人に委ねられます。私たちは何に目を向け、何を意味のあるものとして捉えるのか。伊丹豪の写真は、「何を見るか」という問いを通して、私たちが世界をどのように見て、何に価値を与えているのかを問いかけます。

これまで伊丹は、建築家やデザイナー、出版社との協働もたびたび行ってきました。そこにも、作品のあり方を作家だけで決めるのではなく、他者との関係の中でつくるという姿勢が見られます。本展では、建築家・板坂留五が会場デザインを行います。

「今回の作品を見せていただいた時、これまでとはまた別の印象を抱きました。カメラと対象物の間を行き来する手つきは同じですが、対象物の持つ固有のオーラからテクスチャのようなものを感じずにはいられませんでした。そのテクスチャをそのまま感じて欲しいと思い、伊丹さんの手つきをトレースして新たな形や構造を用いた空間を生成するのではなく、しんとした空気の部屋をつくり、鑑賞者がゆっくり近づいていけるような空間を目指しています。多くの場合、部屋の中ではモノ(家具、衣服、文房具など)と建築物(壁、床、扉など)が等に扱われ、歪に組み合わさりながらまとまりのある空気を作っています。そのような方法で、ギャラリー空間に元からある躯体の出っこみ引っ込みと一緒になって、伊丹さんの写真を配置することで、より伊丹さんの物の捉え方があらわれてくる予感がしています。」 板坂留五

伊丹豪 Go Itami
1976 年徳島県生まれ 。写真家。2004 年「第 27 回写真新世紀」で佳作を受賞。2015 年、『this year’s model』で第 27 回「写真の会賞」(2015 年)を受賞。主な写真集に『study』、『this year's model』、 『photocopy』などがある。主な個展に 2013 年『study』(MOTTO BERLIN)、2015 年『this year’s model』(PLACE M)、2019 年『ENTAILMENTS JOURNEY』 (agnes b.galerie boutique)、2023 年『DonQuixote』(CAVE-AYUMI GALLERY)など。国内に留まらず海外での評価も高く、多数の展覧会を開催。2022 年、自ら新レーベル「we are lucky friends」を立ち上げ、『伊丹豪写真集: GO ITAMI: PPCC vol.1』を刊。
HP https://www.goitami.jp/

板坂留五 Rui Itasaka
1993 年兵庫県生まれ。2016 年東京藝術大学卒業。2018 年同大学院を修了後、店舗兼住宅「半麦ハット」をきっかけに独立、RUI Architects を設立。Under 35 Architects exhibition 2021 GoldMedal など受賞。主な作品に、新築住宅兼クリニック「象」(小黒由実、西澤徹夫との共同/兵庫県、2025)、新築住宅「近くと遠く」(西澤徹夫との共同/愛知県、2025)など。
HP https://ruiitasaka.ooo/